【生物に近寄るコツ】魚に嫌われない優雅な動作と呼吸法

海外マクロポイント向けダイブスキル
この記事は約5分で読めます。

小さな生物を観察して楽しむマクロダイブ

ガイドは近くで見れているのに自分が近づくと逃げてしまう
他のダイバーみたくもっと近寄って写真を撮ってみたい
もう自分は初心者じゃないと思うんだけどなぜか近寄れない・・・

という方に読んでもらいたい記事です。

私は海外で25年以上ダイビングの仕事をしてきてマクロガイドと呼ばれてきました。
ゲストの中にはこういった悩みを持つ方が多かったです。
今までアドバイスしてきた経験を元にこの記事では魚に近寄れるコツをまとめてみました。

魚に近寄れるようになるとマクロダイブの楽しさは何倍にもふくらみますよ。

魚に近寄れる人近寄れない人の違いとは

昔、有名なビデオカメラマンのアシスタントをしたことがあります。
その時にびっくりしたのは彼が撮影する魚たちは逃げないということです。
カメラのレンズがすごく近づいても普通にしている魚は見ていてとても不思議でした。

逆に、ファンダイバーでカメラを持っているゲストは同じ魚を見せようとしても
彼が私に近づくだけで魚が逃げてしまいます。

この2人の違いはもちろんダイビング経験やスキルでもあるのですがそれだけではないと思いました。

その時に感じた近寄れるためのコツというのは

  • 水中で無理のないゆっくりな動作
  • リズムが崩れない静かな呼吸音
  • 魚に対しての平常心

それぞれ解説していきます。

水中で無理のないゆっくりな動作は上級者でも意識するべき

私自身もこれをしっかり意識して動けるようになったのはダイビング本数1000本を超えてからです。
プロのガイドでもそうなのでほとんどの方は意識したことがないと思います。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

言葉で表現するのは難しいのですが
陸上で特に力をこめなくても動ける動作をイメージしてください。
水の中で同じ速さで同じ動作をしようとすると力をグッと入れることになります。
この力を使わない位ゆっくりな動作をすることが理想です。

海の中で魚たちを観察していると通常はゆっくりと泳いでいますが
外敵(大きな魚)が攻めてくるとその早い動きが水中で伝わるようで、そこら中すべての魚たちがビクッと逃げます。
経験したことがある方もいるともいますが、そんな時水中ではバン!という音が聞こえるほどです。

人間は外敵ではありませんが、それに似た筋肉の使い方(グッと力を入れる・ビクッとする)をすると魚にも微妙に伝わり逃げてしまうようです。

水中ではゆっくりと優雅に動くことを心がけましょう。

リズムが崩れない静かな呼吸音を意識する

水中でぶくぶく泡を吐く大きな生き物は水中生物にとって怖いものでしかありません。
その音が激しければ激しいほど違和感を感じるはずです。

呼吸音が一番大きくなるのは息の吐き出しの時です。
その吐き出しをゆっくりすることで音を控えめにすることができます。


試してみてほしいのですが
最初に大きく息を吐き始めると一気に大きく息が吐けてしまいうのですが
最初に小さく吐こうとするとその後大きく吐こうと思ってもなかなか吐けなくなります。

水中では最初に出す泡を小さくするイメージで吐いてみて下さい。
それだけで呼吸音がかなり小さくなるはずです。

ここでひとつ気を付けてほしいのは最初は小さく吐きますがしっかり最後まで吐ききることです。
吐き切らずに浅い呼吸だけをしていると頭痛の原因になります。
吸うときは普通に吸っても大丈夫です。(静かに吸うに越したことはありません)

なぜ頭痛になるかはこちらの記事を参考にして下さい。
ダイビング後に頭痛がするのはなぜ?8つの原因と対処法を解説

小さな呼吸音がリズムよく続いていて自分達に危険がないことが解れば魚たちは安心して慣れていきます。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

時々、呼吸音を出さないように呼吸を止めてしまう方がいますがそれは逆効果
呼吸を止めてしまうと次はどうしても大きく息を吸ったり吐きたくなります。
結局さらに大きな呼吸音を出してしまうことになります。

実は吐き出しをゆっくりするこの呼吸は俗にいう「普通の呼吸」に近い状態です。
酸素を取り込む効率も良くなるのでエアの持ちも良くなります。

魚や生物に対して平常心を意識した行動・呼吸法をする

どうしても珍しいお魚を見た時に「お!・・・見たい!撮りたい!!」と思ってしまいますよね。
これ、どうやらお魚に伝わるようです。
思い出してみて下さい。
意識はしてないけどドキッとしたり、体に力が入ったり、動きが早くなったり、呼吸が乱れたりしていませんか。

魚の気持になれば理解できると思うのですが
「大きな生物が泡を吐きながら自分を目で一心に追っている」
これは逃げなくちゃいけない一大事です。

カメラマンや上級者はこんな時も平常心を保って動きに変化が起こりません。
もしかしたら心の中は平常心でないかもしれませんが、行動はゆっくりと優雅なままで呼吸のリズムも崩れません。
そうすると最初は警戒する魚もだんだんと危険ではないと心を許しレンズの前で逃げなくなります。


前の文を読むとそれなら簡単かも?思えたかもしれませんが
実は上級者でも初めてのポイントやツアー開始の数日はなかなか魚に近寄れないもの
それだけ難しいことなのです。

ダイビング初心者のうちは水中で驚くことも多いでしょうしなかなか難しいと思います。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

同じポイントに通ったり同じメンバーで潜るようにするとなんとなく平常心のコツがつかめてきます。意識しながら潜ってみてください

まとめ

マクロダイブで魚に嫌われないためには水中でのゆっくりな動作とリズム正しい静かな呼吸音を意識することです。

魚に近寄れるようになるにはダイビングスキルももちろん必要ですが、ガツガツとせず平常心で魚と向き合うことが大切です。

魚に近寄る前にフーっとため息をついて一旦心を沈めるのもよいかもしれません。

素敵な写真が撮れるようになりますように!


楽しいダイビングを!!

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