減圧症になって後悔しないための7つのアドバイス【減圧症経験あり】

バブルとダイバー 安全ダイブのための知識
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ダイビングを始めた方ならだれもが知っているはずの減圧症

  • 減圧症って一体なに?
  • 減圧症の症状ってどんなの?
  • 減圧症にならないためにはどうしたらいい?

実は私も過去に7回減圧症にかかっています。
その度に後悔をしているのでこの記事では私の経験も含め減圧症にならないための知識を説明します。
この記事を読んたダイバーが減圧症にかからなくなってほしいと願っています。

減圧症って一体なに?

減圧症は一般的に潜水病と呼ばれているダイバー特有の病気です。

発症する仕組みを簡単に説明します。

空気は約20%の酸素と約80%の窒素からできています。

スキューバダイビングで呼吸をすると・・・
20%の酸素は体の中で使われてなくなりますが
80%の窒素は体では使われることなく体内に溶け込んでいきます。

その溶け込んだ窒素は浮上するまでの間
今度は少しずつ呼吸で吐き出されて行くのですが
吐き出すのに間に合わず体内に残ってしまった窒素は水圧が急に低くなったりすると運が悪い場合、血管や組織の中で気泡になってしまいます。

その気泡が筋肉や神経などを痛めることになります。
それを減圧症と言います。

減圧症の症状ってどんなの?・・私が知り合ったダイバー達の症状

窒素が溜まって気泡になった部分により症状がいろいろあります。

実は私も減圧症に7回なったことがあります。
自分の症状、病院で知り合った方とも話したのでその症状をすべて挙げます。

減圧症の症状(具体例)
  • 皮膚のかゆみ、痛み、熱くなる、冷たくなる、知覚過敏、感じない・・など
  • 手先がしびれる感じになる
  • 脂肪が痛くなる、筋肉痛のような痛み、関節痛
  • おっぱいが大きくなる(痛みなどはない)
  • おしっこが出ない、おしっこが垂れ流しになる
  • 全身の倦怠感、重たい感じで立てない
  • ものを掴めない、キャップが開けられない
  • 掴んでいるものを目を逸らすと落としてしまう
  • 転びやすくなる、目をつぶると転んでしまう
  • 頭痛、めまい、吐き気、座っていられない
  • すべてが丸く見え
  • などなど

この他にも様々な症状があり最悪は死につながることがあります。

減圧症になって後悔しないための7つのアドバイス

私自身が今でも「あれさえしてなければ・・・」と後悔していることです。

  • トイレが近くなるからと言って水分をとらないのはダメ
  • 楽しいからって深いダイビングや長いダイビングをしたらダメ
  • セーフティストップを省略しちゃダメ
  • 浅場の浮上速度が速いとダメ
  • 体調不良の時はダイビングしちゃダメ
  • ダイビング後、体を温めたり激しい運動しちゃダメ
  • ダイビング後高所移動しちゃダメ

私も自分は大丈夫と思ってやっていました。
あなたは同じ失敗をしないで下さい。

トイレが近くなるからと言って水分をとらないのはダメ

水分が不足すると血液がドロドロになって減圧症になりやすくなります。
トイレが気になって水を飲まないという方結構いらっしゃいますがダイビング前もダイビング後も水分補給はとても大切です。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

《水分の上手な取り方》
水分補給は一気にたくさん飲んでもすぐにおしっことして出てしまうので、コップ一杯分ずつを20分おき位という感じで少しずつ補給しましょう。

コーヒーや紅茶、アルコールは利尿作用があるので水分とは言えません。
ダイビング後のビールは美味しいですが出来るだけ時間をあけて(出来ればダイビング後2時間)飲み過ぎないように!もし飲むのでしたらその分の水分補給を忘れないようにしましょう。

楽しいからって深い長いダイビングをしちゃダメ

ダイビングが楽しくなるとどうしても深く長く潜りたくなってしまうものですが、体の中に窒素を貯めこまないようにするのが一番の予防です。

深いダイビングは窒素をしみこませる速度が増します。
長いダイビングは窒素をしみこませる時間を長くします。

私の経験談ですが10mより浅いところで100分位のダイブを2Diveした後減圧症になりました。
浅い場所でも長く潜りすぎると減圧症になります。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

楽しさで深さや時間を忘れないようにしてください。
深すぎず長すぎない安全なダイビングを心がけましょう!

安全停止を省略しちゃダメ

ダイビングの最後に水深3~6mの間で3分以上停まるようにします。
これをセーフティストップまたは安全停止と言います。
ダイビングの最後、減圧停止が無いからと言って安全停止まで省略してはいけません。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

安全停止は体の中に溶け込んだ窒素を少しでも多く吐き出す時間をつくる目的で行います。
出来ればもう少し長め(10分位)に行えると更に安全です。
また、軽い運動をすると窒素の吐き出しを助けるので良いと言われています。

深いダイビング(30m前後)をした場合はディープストップを心がけましょう。
最大水深の半分の水深で約1~2分停まるようにすると深い所でたまった窒素を排出しやすくなるのと*箱型潜水を避けることが出来ます。
*箱型潜水:一気に最大水深へ行きしばらくした後最大水深から一気に浮上する潜り方。窒素の排出が少なくなる危険な潜り方です。

浅場の浮上速度が速いとダメ・・一番大切です!

安全停止が終わった後、一目散に水面を目指すダイバーをよく見かけますがとても危険です。
体に残ってしまった窒素は圧力が急に低くなると気泡になってしまうので減圧症に一番なりやすい状況になります。(ビールの栓を抜いた時にシュワっと泡が出るのと同じ原理)

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー
  • 浮上速度が速いと水圧が急に低くなるので気泡になるきっかけとなってしまいます。
  • 深い所より浅い所の方が水圧の変化が激しいので水深5m(セーフティストップ)から水面の間の浮上速度が一番重要です。
  • 一般的には1分間に6~9mの速度で浮上するのが安全だと言われています。

《具体的な浮上速度の目安》

  • ロープなどがある時は1秒間にこぶし一個分ずつ浮上
  • ダイブコンピューターしかない時は1秒間に10㎝ずつを目安に浮上します。
  • 自分が吐く泡の一番小さいものを追い越さない速さで浮上します。

見落としがちなスキンダイビング・・・一番危険です!

水面休息中、海が好きなダイバーたちが良くスノーケリングをしているのを見かけます。
ここで注意してほしいのは水面から海の中を覗くスノーケリングはOKですが、スキンダイビングはNG!ということです。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

すでにダイビングで体の中に窒素が溜まっているのにスキンダイブで潜行・浮上を続けるというのは、速い浮上を何度も繰り返すことになります。
これはわざわざ体内の窒素を気体化させる行為を繰り返しているのと同じになり
とても危険です。

私が減圧症になったきっかけの何回かはゲストの落とし物をスキンダイブで取りに行ったことでした。
今になっては悔やんでも悔やみきれない思い出です。

体調の悪い時はダイビングをしちゃダメ

体調がすぐれない時は勇気をもってダイビングをキャンセルしましょう。
窒素は容赦なく体の中に溶け込みますが、体調が悪く排出する力が弱っているときはダイビングコンピューターの指示通りに潜っていても減圧症になる可能性が高くなります。
特に体循環が落ちてむくみがある時などは要注意です。

私は生理の時に何度も減圧症になっています。仕事で潜らないといけないので体調が悪くても無理して潜っていました。皆さんはファンダイブですから無理と感じた時は必ずキャンセルしてください。
*生理だと減圧症になる訳ではなく、生理で体調が悪い時に潜ると減圧症の危険があるということです。

ダイビング後体を温めたり激しい運動をしちゃダメ

体の中に窒素がたくさん溜まった状態で
急激に体が温まると窒素が気体になりやすくなり減圧症のきっかけになります。

ダイビング後に温泉に入るのは気持ちが良いものですが残留窒素が多い状態での熱い温泉、熱いシャワー、サウナは控えましょう。

また、窒素が溜まった状態で激しい運動をすると急速に窒素が気体化するのでやめましょう
激しい運動で体温も上昇するとダブルの効果で気体化を促進します。

アフターダイブはリラックスして窒素の排出に努めましょう。

ダイビング後に高所移動をしてはダメ

高い山などを通ることや、飛行機に乗るのは気圧が下がるので減圧症のきっかけを作ります。

私の一番最初の減圧症は高所移動でした。
大瀬崎で潜った後、箱根越えをしようと登り始めると下半身が筋肉痛のようになり、頂上では全身が痛くなりました。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー
  • ダイビング直後に高度400m以上の場所に移動するのはやめましょう。
  • 飛行機に乗る場合はダイビング後少なくとも18時間、出来れば24時間あけましょう。

ダイビングで一日1本のみの場合は飛行機搭乗は12時間あければ良いと言われていますが、個人的にはやはり18時間はあけた方がよいと考えています。

まとめ

大好きなダイビングを続けるために「減圧症にならないための7つのアドバイス」を守って絶対に減圧症にならないように気をつけましょう。

体質によってこれを守らなくても減圧症にならない人もいます。私も若い頃はそうでした。
でも、ある日突然減圧症にかかったりするものです。
一度かかると癖になるのか治療してもまた繰り返します。

あなたは絶対に減圧症にならないで下さい。

安全で楽しいダイビングを!!

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