最初はちゃんと潜れていたのに中性浮力を意識して泳ごうとするとなぜだか浮いてしまう。・・という初心者ダイバーはとても多いと思います。
- 泳ごうとしたらどんどん浮いていってしまう・・
- 写真を撮ろうとしたら体が浮いてしまうのはなぜ?
- 焦るとどんどん体が浮いてしまう。どうしたらいい?
- ダイビングの後半になると浮きやすくなるのはどうして?
そう思っているのはあなただけではありません。
ほとんどのダイバーはそんな時期を乗り越えて上手になって行くのです。
この記事では初心者ダイバーに中性浮力の不安を解消していただくため、今まで私が出会ったゲストにしてきたアドバイスや対処法をご紹介します。
中性浮力のコントロールができるようになればインストラクターやガイドに助けてもらわなくても安心してダイビングができるようになります。
そうなれば憧れのダイビングサイトに行ける日が近くなりますよ!
泳ごうとしたらどんどん浮いて行ってしまう・・フィンキックを見直しましょう
泳ぐと浮かぶ原因は初心者にありがちな下向きのフィンキックです。
水中で泳ぐときの姿勢は地面と水平であることが理想ですが、初心者のうちは体が立ちやすくその姿勢のままフィンキックをするので地面方向にキックしていることが多いです(下向きのキック)。
そうなると体は水面の方へ向かうことになり=浮き上がることになります。
ダイバー
対処法は・・・泳ぎ方をちょっと意識しましょう。
- 姿勢は水面に浮かんで泳いでいるのをイメージし、頭を下げ顎を上げてなるべく体を地面と水平にします。
- フィンキックは出来るだけ足を背後の方まで振り、前へは地面まで振り蹴らないよう、体と同じラインくらい(地面と水平)までで振り終わる感じを意識すると頭と同じ方向に進むようになります。
写真を撮ろうとしたら体が浮いてしまうのはなぜ?焦るとどんどん体が浮くのはなぜ?
「さっきまで普通に潜れていたのにちょっとしたきっかけで体が浮き上がってしまった」という経験は初心者の時に誰もが通る道です。
その時の状況を思い出してみて下さい。
・何かに集中した時に浮かんでしまった。
・焦れば焦るほど浮かんで気が付いたら水面だった。
このような状況であればどちらも呼吸の仕方が原因です。
原因を理解して頂きたいのでこれからいう状況をイメージしてみて下さい。
あなたは普段の生活で
- 何かに集中しようとするとき息を吸ったまま止めていませんか?
- 何か失敗して焦っているとき息を吸って過呼吸気味になっていませんか?
ほとんどの皆さんが陸上では無意識のうちにそんな呼吸になっているんじゃないかと思います。
水中での基本は
- 息を吸う=浮かぶ
- 息を吐く=沈む
が原則ですから
例に出したような呼吸状態で体が浮かぶというのは仕方がないことだと言えます。
このことから言えるのは
水中の場合、陸上と同じ呼吸方法だとダメだということです。
陸上では何かに集中する時、焦った時、どちらも過呼吸になりがちですが
水中では考え方を変えてラックスし息を吐きだすことが大切。
集中したり焦ったりしたときはすぐに行動しようとせず、まず息を吐いてリラックスすることが大切です。
浮かばないために・・物事に集中したいときのおすすめ呼吸法
例えば水中では写真を撮りたい時の呼吸法です。水中ではこうしてみましょう。
ダイバー
- 撮るぞ!と張り切らず
息を思いっきり吸った後、息を3分の1~半分位吐いてから準備 - それから写真を撮るようにします。
- その後少しづつハミングするように小さな泡をプクプクと吐き出すと尚良しです。
こうすることで撮影中に浮き上がることは無くなります。
最初に半分吐くことで体も気持ちもリラックスし「撮影するぞ!」という殺気も減るので魚が逃げにくくなり、体も浮かなくなる。
写真もうまくとれるようになり一石三鳥いや、一石四鳥です。
これは陸上においても肩の力を入れず集中するコツでもあります。呼吸をいっぱい吸ったまま集中するよりずっと集中しやすくなります。
是非試してみて下さい。
浮かばないために・・焦ってしまったときのおすすめ呼吸法
例えば突然浮かび始めてバディに手が届かなくなりそうになった場合などのおすすめ呼吸法です。
ダイバー
あ!っと思って息を吸うのではなく
- 「はあ・・・まあ、いいか」と大きく息を吐きましょう
- 1回の吐く息でダメなようなら3回続けて吐き続けると効果抜群です。
- それでもダメなら落ち着いてBCの空気を抜きましょう
どうしても人間は焦ると息を吸ってしまいがちですが、水中では慌てそうになった時ほど「はあ・・まあ、いいか」とう感じで息を吐くと肺の中の空気が減るので浮力を抑えられるようになります。
更に3回続けて吐けばほとんどの場合同じ水深に戻って来られます。(この時の3回は途中息を吸わずに3回続けて吐く感じです。)
それでも浮いてしまう時は落ち着いて立った姿勢でBCの空気を抜き、その後頭を下に向けフィンキックをして再潜行しましょう。
水中では焦ったり慌てたりしても良いことがありません。
逆に「はあ…」とあきらめてため息をつくくらいリラックスするのが上手に潜れるようになるコツです。
ダイビングの後半に浮き上がってしまうのはなぜ?・・BCからエアを抜く&安全な適正ウェイトに調整しよう
ダイビングのスタート時は特に問題なく潜れていたのにダイビングの後半で浮き上がってしまうのは2つの原因があります。
- 水深が上がってきたことでBC内にある空気が膨れ上がり浮力がつくから
- 空気を消費したことでタンクが軽くなり浮力がつくから
1はダイビングのスキル的な問題
2はダイビングの装備(タンクの重量&ウェイト)の問題です。
ダイビング後半、水深が浅くなってきたらBCの空気を少しずつ適量抜く
潜り始めてだんだんと深くなっていくうちに中性浮力をとるために少しづつBCに入れていきますが
後半、水深を浅くしていくときにはその分の空気をBCから抜かなければ体が浮いていくことになります。
水深が浅くなってきたと思ったら空気を抜く心構えをしましょう。
空気を抜くときはインフレーターをBCより上にあげるのがコツ
空気の出具合を目視で確認するようにすると上達が早いでしょう。
ダイバー
空気を抜くタイミングは・・・
なんとなくBCで体が上に引っ張られる感じがしたときにボコッと空気を抜きます。
全部を一気に抜くのではなく適量を抜くのですが、最初のうちはどのくらい抜いて良いのかわからないと思います。
ボコっと大きめの空気がひとつ出るくらい抜いてそれでも浮かぶようだったらもう一回抜く感じです。
少し多めに抜いてまたインフレーターから少し空気を入れるというのもOK
慣れてくるとタイミング・量とも自然とコントロールできるようになります。
タンクは空気消費した分浮力がつくのでその分のウェイトを足しておく
もし機会があったら試してみてほしいのですが、ダイビング前のタンクとダイビング後のタンクを持ち比べてみて下さい。微妙にダイビング後のタンクは軽くなっています。
タンクの材質にも寄りますが使った後タンクが軽くなると、浮力にしてウェイト1~2kg分違う場合があります。
ダイバー
ダイビングのスタート時にぴったり丁度いいウェイト量だとダイビングの後半では浮き気味、または最悪セーフティストップができずに浮いてしまうこともあります。
安全な適正ウェイト量を知るためにはダイビング前よりもダイビング後にウェイト調整を行うことが大切です。
安全な適正ウェイトの考え方や調整の方法はこちらの記事を参照にしてください。
他人まかせはダメ!体が安定するウェイトの位置調節と上手な付け方 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com)
浮き上がりは出来るだけ早く自分で対処する練習を
初心者のうちは浮き上がるとインストラクターなどを頼ってしまいがちですが、出来るだけ早く自分で対処できるようになりましょう。
インストラクターやバディに助けてもらううことが癖になってしまうとなかなか上達しないだけでなくいつまで経っても自立したダイバーにはなれません。
気の合った知り合いであれば毎回でも助けてくれるでしょうが、基本的にライセンスを持っているダイバーに対しインストラクターやガイドは浮きあがりを助ける義務はありません。特に海外の場合、スキルのお世話をするガイドはほとんどいないと思ってください。
また、浮き上がりは減圧症の引き金になります。
特にダイビング後半は体内に窒素が溜まっているので注意が必要になります。
浮き上がることで自分も減圧症の危険がありますが、それを助けるバディやガイドも同じ危険にさらすことになります。できるだけ対処法を早く身に着け浮き上がりをなくしましょう。
減圧症に関してはこちらのページを参照にしてください。
減圧症になって後悔しないための7つのアドバイス【減圧症経験あり】 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com)
この記事にあるコツや方法を自分から進んで取り入れて一日も早く自立したダイバーになってくださいね。
まとめ
ダイビングの時に浮き上がってしまう原因は大きく4つ
- フィンキックの仕方
- 呼吸法
- BCの調整の仕方
- ウェイト調整の仕方
まずはすぐに直せるウェイトの調整をしてみてフィンキック・呼吸法を見直すのがおすすめです。
私が出会った初心者ダイバーさんでは呼吸法が出来ていないという方が特に多かったですが、この記事で書いた方法をアドバイスしたら次のダイブには上手に克服されていました。
あなたもこの記事を参考にして浮いてしまう不安を早く解消してくださいね。
中性浮力がしっかりできるようになると行きたい海に安心して行けるようになりますよ。
楽しいダイビングを!!
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