ダイビング初心者でも上手に潜行できるコツ!

潜行のコツ 海外初心者ポイント向けダイブスキル
この記事は約10分で読めます。

講習後のファンダイビング
「潜行しましょう」と言われてすんなり潜行できる人って少ないと思います。

実は私も潜行が上手にできなかったへなちょこダイバーだったので例にもれず・・・
どうして皆あんなにすんなり潜行できるのだろう?と思っていました。

  • もしかして潜行の方法が間違っているのかな?
  • すんなり潜れない原因は一体何?
  • 耳抜きすると浮いてしまうのはなぜ?
  • 教えてもらったことやってるのにできないのはなぜ?

30年もインストラクターをしているとそう言う質問を沢山受けました。

実はちょっとしたコツを意識するとほぼ100%の方が簡単に潜行できるようになります。
その誰でもスムーズに潜行できるコツをこの記事で説明します。
是非、実際に試してみて下さい。

潜行がスムーズにできるようになると、知らないダイビングサイトにも自信を持って潜りに行けるようになりますよ!

潜行の仕方が間違っているのかな?正しい潜行方法は?

それではまず潜行の仕方をおさらいしましょう。

教科書に載っていない事も含めて説明します。

まず最初にすることは心と体勢の準備。
すぐに潜行しようとする方が多いですが焦っても仕方がありません。
どんな潜行の仕方をするにせよ慣れていない方は準備が必要です。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

潜行準備ですることとは・・・

  1. 水面でまず深呼吸をして耳抜きを一回やってみる。
    水面で耳抜きしておくと潜行後も耳が抜けやすくなります。
    *その為には他の人より早めにエントリーしておくのがおすすめ
  2. 潜行姿勢を整える
    腰(股関節)を延ばし膝は少し曲げてややお尻側にフィンが来るように意識
    やや前傾姿勢が取れたら潜行し終わるまで足は基本動かさない。

慣れてくると自然と準備をしなくても潜行できるようになります。

初心者におすすめ!フィートファースト潜行方法

初心者におすすめの潜行スタイルはフィートファースト
体を立たせたまま足から潜行する方法
耳抜きもしやすいし万が一耳が抜けない場合もすぐに浮上出来ます。

具体的な方法を順番に書くと・・・

  1. 姿勢を整える
  2. BCの空気を抜く
  3. 息を吐く
  4. 耳抜きをする
  5. 目標を見ながら泳ぎ始める

ではひとつづつコツとポイントを説明します。

フィートファースト潜行がやりやすい姿勢に整える

水面で潜行する心の準備が出来たら姿勢を整えます。
「やや前傾姿勢で股関節は伸ばし膝は後ろに少しだけ曲げる感じ」
・・・というのが講習で習う姿勢

実際にやろうとすると知らず知らずに体のあちこちが動いて姿勢を保てないし足が動いてしまう方が多いです。
その場合はこのような姿勢の方が初めての方には行いやすいようです。
「やや前傾姿勢で左足はまっすぐ右足は後ろに膝を曲げておく」

潜行する時の姿勢説明用のイラスト
左手を上に上げる場合、右足を曲げた方がバランスがとりやすいです。

BCの空気を全部抜きます

インフレーターを持っている手と肩を高く上げ排気ボタンを押しながら息を吐きます。
その時出て行く泡を見ながら排気ボタンを押しましょう。
潜行時にパワーインフレーターからの泡を見る悦明のためのイラスト
インフレーターから空気が出終わるのを見届けたら排気ボタンを押すのをやめ呼吸に集中

BCの空気を出し切れたらインフレーターは胸の位置でボタンは押さずに持っておきます。

潜行し始めても排気ボタンをずーっと押し続け腕を上げている方が多いです。
しかし腕を上げていると肺の空気を効率よく吐くことが出来ません。BCの中の空気を出し終わったら腕は胸の前に戻しましょう。
潜行時にパワーインフレーターを上げっぱなしにしない注意のイラスト

また、排気ボタンを押したままにしているとBCの中に海水が入る原因にもなるので気を付けましょう。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

【教科書では教えない上級者がしているBCから空気を抜く方法】
1ウェイト量が調整出来ている方
2耳抜きが上手にできる方
はクイックリリースバルブを使って空気を抜くのもありです。
ただし、一気に空気が抜けるのでオーバーウェイトの場合は墜落、耳抜きができないと鼓膜を破ることもあります。注意が必要です。

息を吐き肺の中の空気を出来るだけ吐き出す

BCの空気を抜きながら息を吐きます。
とにかく肺の中の空気を吐かなくちゃいけないんですが吐き方が重要です。

潜行時の息の吐き方: 口から息を強く長めに3回続けて吐き出します。

潜行する時の息の吐き方のコツ説明のイラスト

人間は3回息を続けて吐けるものです。
実は1回吐くだけではまだ肺の空気は半分も吐けていません。
長めにフー・・・フ―・・・フ―・・・と吐くと体が沈み始めます。
(*一回ずつ吐いて吸ってではなく吐いて・・吐いて・・吐いて・・です。)

これだけ息を吐くと苦しくなって次の呼吸で一気にたくさん空気を吸うことになりますがそれで大丈夫。吸ってもすぐに浮かんだりはしません
いっぱい吸ってしまったらすぐにまた同じように3回吐き続ければ大丈夫です。

ほとんどのゲストはこの息を吐く方法で潜行が上手にできるようになります。

早め早めに耳抜きをします

少しでも耳に違和感を感じたら耳抜きをします。
耳抜きに失敗しそうになったら曲げていた膝を延ばすと少し浮上できるはずです。
慌てずに耳抜きを済ませ潜行します。

耳抜きが難しかったらフィンキックをちょっとだけして水深を上げると抜けることもあります。
ただ、水面まで上がってしまうとすべてやり直しになるので少しだけの浮上を意識してください。

耳抜きのコツを詳しく知りたい方はこちらを参照してください。

目標を見ながら泳ぎ始める

意外と忘れがちなことなのですが、潜行の際にはバディやガイドと離れないように目標物を決めておきましょう。
潜行する時は目標物を見ながら潜るを説明するイラスト
時々耳抜きをしながらどんどん逆方向に泳いで行ってしまう方がいらっしゃいます
バディは気が付いてついてきてくれるかもしれませんがそれに甘えずしっかり自分の居場所をコントロール、確認しながら潜行しましょう。

底に着くまで立ち姿勢のまま耳抜きに専念してしまう方を見かけますが、1mほど頭が沈んだらそこから目標物に向かって泳ぎ始めた方がスムーズに潜行できます。

*潜行し始めたら目標物(バディ・ガイド・集合場所)を見ながら耳抜きを行いましょう。
*耳抜きがクリア出来て1mほど沈んだら目標に向かって泳ぎ始めます。

スムーズに潜行をするためには適正ウェイトであることが重要

スムーズな潜行は適正ウェイトであることが大前提です。適正ウェイトであれば潜行速度が速すぎたり浮き上がったりすることを防ぐことが出来ます。

初めてのリゾートでのチェックダイブは仕方がないかもしれませんがおおよそのウェイト数は前回のウェイト数などを参考に決め、チェックダイブ後に適正ウェイトに調節しましょう。
私がガイドしていた時はチェックダイブ最後のセーフティストップ時にBCの空気の入り具合を確認して安全な適正ウェイト調整のお手伝いをしてあげてました。

安全な適正ウェイトについてはこちらを参照にしてください。

すんなり潜れない原因は一体何?・・5つの原因があります

30年以上ゲストを見て来ましたが
すんなり潜れない原因は次のようなものが多いです。
多い順に並べるとこんな感じです。

  1. BCの空気がちゃんと抜けていない
  2. 肺の中の空気をしっかり吐けていない
  3. 無意識にフィンキックを続けている
  4. ウェイトが足りない
  5. 耳抜きがなかなかできない
  1. BCの空気を抜くのにインフレーターを上にあげるのを忘れてしまう方が特に多いです。胸の位置で排気ボタンを押しても空気は抜けていきません。

    また、BCの空気が抜けた後もずーっと排気ボタンを押し続ける方もいます。
    排気ボタンを押し続けたままだとBCの中に水がいっぱい入ってしまい、今度は空気を入れても浮力が取れなくなってしまう方もいます。

  2. 息は確かに吐いているのですがしっかりと吐き切れていない方がとても多いです。
    初心者ダイバーが1回息を吐くだけでは肺の中の空気は半分も吐けていません。3回続けて吐くことで肺の中の空気をしっかり吐き出すことが出来ます。

  3. 緊張しているからだと思いますが無意識にずーっとフィンキックを続けている方がいます。
    意識せずに伸ばしていると足が動いてしまうので膝を曲げておくなど最初に意識する防ぐことができます。

  4. ウェイトが足りないのはタンクの材質が変わったのに今までのウェイト数をそのままつけている方です。
    日本でスチールタンクで潜っていた方は特に海外はアルミタンクなことが多いので+2kg位のウェイトが必要です。 

    適正ウエイトの調整についてはこの記事を参照してください。
    安全な適正ウェイトと調整の仕方【ダイビングが上達します!】 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com)

  5. 潜行してから耳抜きを始めるとなかなか耳が抜けません
    耳が痛くなった時は水圧で耳管がぴったりとふさがってしまったということ。
    そうなると耳管に空気が通りにくくなり耳抜きが大変になります。
    潜行する前水面で一回落ち着いて耳抜きをしておけば空気も通りやすく耳抜きも楽にできます。

    耳抜きのコツについてはこの記事を参照してください。
    【耳抜きが苦手な方必見!】やり方とコツをわかりやすく説明 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com)

耳抜きすると浮いてしまうのはなぜ?・・その原因は呼吸です

何故か耳抜きをしようとするとプカ~っと浮かんでいってしまう方がいます。
その原因はやはり呼吸です。

耳抜きをしようと張り切って息をいっぱい吸ってしまうからです。

本来耳抜きはそれほど多くの空気を使いません。
にらめっこでアップップをした時の口の中の空気ぐらいがあれば十分にできます。
初心者のうちは少ない空気で耳抜きをするのは難しいかもしれませんが、
息をいっぱい吸ったあと半分吐いてから、口の奥の方に貯めた空気をほっぺや舌で潰すように行うとうまく抜けます。
息を半分吐くことで体の力も抜けやすく、体も浮きにくくなります。

参考)耳抜きのコツ
【耳抜きが苦手な方必見!】やり方とコツをわかりやすく説明 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com)

教えてもらったことをやっているのに潜行出来ないのはなぜ?・・それならばこの方法が一番効きます

「いろいろ潜行方法を教えてもらったけどどうしても潜行が苦手なんです。」というゲストをたくさん見て来ました。そう言う場合はほぼ肺の空気が吐き切れていないのが原因です。
自分では吐き切れていると思っていますが出来ていません。
そんな方にはこの方法が一番効きます。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

息を強めに長く続けて3回吐いてください。
ふ~・・ふ~・・ふ~・・途中で吸ってはいけません。

更に沈みたいときは

一回普通に空気を吸ってまたすぐに3回吐いてください。

慣れないうちは肺の中の空気を吐き切ることはなかなか出来る事じゃありません。
初心者が1回吐いたくらいでは肺の空気の半分も吐けていない。
そのような時、3回続けてゆっくり吐くと具体的に示されるとほとんどの方が出来るようになります。

【実際にあった話】
昔、潜行できない初心者6名のゲストがいらっしゃいました。
チェックダイブでは誰一人スムーズな潜行ができませんでしたが、この呼吸法を説明して実践してもらったら次のダイビングは全員すんなり潜行できるようなりました。
「今までイントラさんの補助がないとこんな風に潜行できたことがなかったのに!!」
と皆様びっくりしていました。


是非、試してみて下さい。

おまけ:潜行ができると吹き上がりの対処も可能

上手に潜行が出来るようになると
ダイビング中に体か浮き上がってしまっても自分で対処することが出来るようになります。


浮きはじめた時に「息を大きく3回吐く」をしながら泳げば元の水深に戻れますし、それでもダメなら落ち着いてBCの空気を減らせばバディやインストラクターの手を借りなくても対処が出来るようになります。
独立したダイバーへの第一歩です。

浮いてしまった場合の対処詳細はこちらの記事を参照してください。

まとめ

潜行の基本の手順はほぼ講習などで習った通りですが、初心者が潜れないよくある原因はBCの操作方法と潜行時の息の吐き方です。

*BCの空気は腕を上げて排気ボタンを押し空気が抜けたらボタンを押すのをやめ腕は胸の位置に戻す

*潜行の時は強めに長く続けて3回息を吐く


是非やってみて下さい。


潜行がすんなりできるようになるといろんな海に自信を持って行けるようになるし、エントリー直後の大物に出会えるチャンスも逃さずに済みますよ!

楽しいダイビングを!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました