ダイビング後に頭痛がするのはなぜ?8つの原因と対処法を解説

頭痛になった女性 安全ダイブのための知識
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ダイビング後の頭痛を経験する初心者ダイバーは多いようです。

普段は頭痛になんてなったことないのにダイビングが終わると頭がガンガン痛くなる・・・
何か変な潜水病にでもなってしまったんじゃないか?

とても不安に思いますよね。

この記事ではイントラ歴30年以上いろいろなダイバーを見てきた経験から考えられるダイビング後の頭痛の種類とその対処法を解説します。
頭痛になって心配という方は照らし合わせてみて下さい。

考えられる8つの頭痛の原因

頭痛の原因はいろいろ考えられますが初心者ダイバーのダイビング後の頭痛のほとんどが浅い呼吸による二酸化炭素排出不足での頭痛です。
他にもあるんじゃないかと心配な方のために今回は考えられる頭痛の原因と回避法、対処法を8つ解説しようと思います。
初心者ダイバーがなりやすい頭痛を可能性の高いものから挙げます。

  1. 二酸化炭素の排出不足からくる頭痛
  2. マスクのストラップの閉めすぎから来る頭痛
  3. 緊張型頭痛
  4. 耳抜き不良や副鼻腔炎などから来る頭痛
  5. 虫歯治療後のスクイズからくる頭痛
  6. 減圧症から来る頭痛
  7. タンクの中の空気に問題がある場合の頭痛


それぞれの詳しい原因と対処法などをご紹介します。

二酸化炭素の排出不足からくる頭痛・・・初心者に一番多い頭痛

初心者のほとんどの方の頭痛はこのタイプになります。

症状としては・・・・
エキジット直後、とにかく頭がスキンズキンと脈を打ち締め付けられるように痛く、ひどい時はめまいや吐き気までして立ち上がることも出来なくなります。
人によってはダイビング後半から頭痛が始まることもあります。

二酸化炭素の排出不足からくる頭痛の原因

  • 空気の消費を押さえようとした場合
  • 写真を撮ったりするのにスキップ呼吸*を行った場合
  • 水中で激しく泳いだり動いたりした場合

大きな原因は呼吸の方法です。
呼吸が浅かったりリズムが狂うなどして二酸化炭素の排出がうまくできなくなった場合に起きます。
血中の二酸化炭素濃度が高くなることで頭痛を引き起こすのです。

女性は特にエアの消費を抑える気がなくても元々の呼吸量が少ないせいか頭痛になる方は多いです。

二酸化炭素の排出不足からくる頭痛の回避法

二酸化炭素を貯めないような呼吸をしましょう。
そのためには呼吸をするとき息をしっかり吐くことが大切
しっかり吐くことで新鮮な空気がたくさん肺に入ってくることになり、肺の中の空気循環がよくなり二酸化炭素濃度が少ない状態を保てるので頭痛は起こらなくなります。

そんなことするとエア消費が多くなると思う方もいるかもしれませんが
効率よく呼吸をすることでエア消費はかえって抑えられるようになるので心配ありません。

効率良い呼吸を説明した参考ページ
【実証あり!】大男でもエア消費が抑えられたダイビングの呼吸法 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com)

二酸化炭素排出不足の頭痛になってしまったときの対処法

実は私がへなちょこダイバーだった時によくこの頭痛になりました。
その際、熟練ダイバーから「仰向けに寝なさい」とか「太陽を見なさい」というアドバイスをもらっていました。今考えてみると要は気道を開けて沢山呼吸をするという事なのだと思います。

頭が痛いと普通は下を向いてしまいがちですがそれは逆効果になります。二酸化炭素を早く排出できるように下を向かず気道を開けて深呼吸を続けてみて下さい。しばらくすると落ち着きます。
通常は医者に行く必要はありません。
もし、酸素があるのでしたら酸素を吸うのも良いと思います。その時も吐く息を意識してください。

それでも全く痛みがとれなくて今日はもうダイビング終了と言うのであれば頭痛薬を飲むのも一つの方法だと思います。
ただし、ダイビングするのであれば薬を飲んではいけません。
薬が高圧化でどのように作用するか正確にはわからないからです。

マスクのストラップの締めすぎからくる頭痛

初心者の方だとマスクに水を入れたくなくてギューッとストラップを締める方がいらっしゃいますが、それが頭痛につながることがあります。

水中に限らず陸上でも幅の合っていないメガネをしたりすると頭痛になる方がいると思うのですがそれと同じです。

締め付けが原因の頭痛の回避法

マスクのストラップを丁度いい長さに調整します。

丁度いいストラップの締め具合はマスクをしたまま片手で持ち上げると少し隙間が出来る位。
きつくした方が水が入らないと思っている初心者ダイバーが多いですが、きつ過ぎるストラップは逆にスカートの柔軟性が失われるので水が入りやすく、マスククリアしても水が出にくくなり良いことはありません。

頭痛になってしまった時の対処法

頭周辺を締め付けないようにします。しばらくして痛みが治まるのが普通です。
おさまらなくてダイビングをやめるのであれば頭痛薬を飲むのも良いでしょう。

緊張型頭痛

この頭痛はダイビング特有の頭痛というよりは普段から肩こりなどを持っている方がダイビングの器材を背負ったり、ダイビングで体に力が入ったりすることで血流がさらに悪くなり起こる頭痛です。
主には肩から頭への血行不良が原因です。
頭の後ろから首にかけて重くなったり頭が締め付けられるように痛くなります。

緊張型頭痛の回避法

全身をリラックスして
肩回り首周りをしっかりほぐすことです。

マッサージも良いのですが普段から運動などで腕を回したり首を回したり軽い運動をしましょう。
ダイビング前にストレッチをしたり血行が良くなるようにするのも良いです。

緊張型頭痛になってしまった時の対処法

肩や首の緊張をとるために軽いマッサージやストレッチなどをします。首や肩に力が入らないように横になるのも良いでしょう。
それでもストレスになるくらいに痛い場合はその日はダイビングを中止して血行改善に努めましょう。

耳抜き不良や副鼻腔炎などから来る頭痛

  • 風邪を引いたりしている時に無理に潜行した場合
  • 耳抜きがうまくいかなくて無理して潜行した場合
  • もともと副鼻腔炎・鼻炎なのに無理して潜行した場合

中耳や内耳、副鼻腔でスクイズが起り頭痛の原因になります。

もし無事に潜行できたとしても、浮上時にリバースブロックが起きてしまうこともあります。
リバースブロックにもかかわらず焦って浮上したりすると鼓膜が破れたりして更にひどい頭痛を起こすことになるので無理は禁物。自然に抜けるのを待ちましょう。
耳の奥やこめかみなどに割れるような痛みを感じているのに無理をして痛めてしまうとしばらくは内部が腫れて潜れなくなりますので注意が必要です。

耳抜き不良・副鼻腔炎の時の頭痛回避法

体調の悪い時は潜るのをやめましょう。

点鼻薬・薬などを使って潜る方もいますが潜行時は耳抜きが出来ても浮上時に詰まってしまいリバースブロックにかかってしまう恐れがあります。リバースブロックになったらとにかく自然に空気が通るのを待つしかありません。
そのような状態にならないためにも体調が良くない時はダイビングをやめる勇気が必要です。

もともと副鼻腔炎を持っていて頻繁に頭痛になってしまう場合は病院に行って治療するのをおすすめします。

耳抜き不良・副鼻腔が原因の頭痛になってしまった時の対処法

ほとんどは時間が経てば回復しますが痛みがひどく長引く場合は病院に行きましょう。
無理をして痛めてしまった場合は体調が良くなるまでダイビングは止めましょう。

虫歯治療後のスクイズから来る頭痛

虫歯を治療したかぶせものと歯の間に空洞がある場合
その中の空気が潜行したことで縮みスクイズを起こし痛みを感じる場合があります


多くは歯が痛いと感じますが、たまに頭痛がすると感じる方もいるようです。

回避法

虫歯を上手に治してもらう。
腕の良い歯医者さんに治療してもらう。

頭痛なってしまった時の対処法

特にできることはありません。痛みが去るのを待つのみ
ダイビングが終了であれば頭痛薬を飲みましょう。
歯医者に行ってかぶせものに空気が入らないようにやり直してもらいましょう。

減圧症から来る頭痛

減圧症とは体に溶け込んだ窒素が浮上速度が速過ぎるなどして気泡化してしまう潜水病です。
症状的には倦怠感や、だるさ、関節痛、皮膚の痛み、頭痛などでダイビングエキジット後数時間~長く続きます。
減圧症から来る頭痛の場合はズキンズキンという痛みというよりズーンと言う持続的な痛みで、頭になにか覆いかぶさっている感じもします。頭痛以外にも体のだるさや力が入らないなど他の症状がある場合が多いです。
最初は軽い症状だったのにだんだん悪化したりするの減圧症の特徴になります。

減圧症の回避法

  • 深く長いダイビングをしない
  • 減圧停止の必要なダイビングをしない
  • 浮上速度を守る
  • 水面休息時間をしっかりとる

安全なダイビングを心がけましょう。

減圧症についてはこちらの記事に詳しく書いています。
減圧症になって後悔しないための7つのアドバイス【減圧症経験あり】 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com)

減圧症になってしまった時の対処法

サービスに酸素がある場合は酸素を吸わせてもらいましょう。それで痛みが落ち着く場合もあります。
痛みがなくなったとしてもなるべく早く高気圧酸素治療(再圧治療)を受けましょう。
治療を早く受けるほど完治率は高くなり、遅くなるほど後遺症の心配が残ります。
治療が終わっても数か月はダイビングをお休みしないと再発の恐れがあります。
(お休みしても再発の恐れはゼロにはなりません)
また、高い山や飛行機、新幹線など気圧の変化があるものは症状のある間避けるべきと言われています。

タンクの中の空気に問題がある場合

最近はあまり聞いたことがありませんが
タンク充填時に排気ガスやたばこの煙などが間違って混入した場合、一酸化炭素中毒が起り頭痛、めまい、吐き気などを起こします。

回避法

管理をちゃんとしているタンク充填所からタンクを借りることが重要です。

一酸化炭素中毒は死に至る恐ろしい中毒です。
変なにおいがしたりダイビング中にめまい・頭痛・吐き気など少しでも変に感じたら直ちにダイビングを中止ください。

なってしまった時の対処法

新鮮な空気を吸うようにして体を温めとにかく病院へ行きましょう。
すぐに酸素を吸えれば尚良い。

まとめ

ダイビング後に頭痛が起るのには様々な原因があります。

初心者の場合、ほとんどの原因は二酸化炭素の排気がうまくいってないことです。これを回避するには呼吸の際しっかり空気を吐くことを意識するのが一番です。

その他の原因の場合もそれぞれ挙げておきましたので参考にしてくださいね。

楽しいダイビングを!!

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