日本のホームダイビングサイトではいつもビーチエントリーという方多いかもしれません。
海外などで潜るようになると
ボートからのエントリー
桟橋やビーチからのエントリー
様々なスチュエーションに合わせたエントリー方法を選ばなければなりません。
多くはガイドがどのようなエントリーが良いか教えてくれたり見本を見せてくれたりしますが
自分の好きなようにと言われることもあります。
必ず覚えておきたいエントリーは基本2つ
それがどんな時に有意なエントリー方法であるかも必ず覚えておいてください。
それ以外の特殊なエントリー方法にも今回触れておきます。
どんな時にどんなエントリー方法をするのか
ダイビングには様々なエントリー方法があります。
そんな時にどのエントリー方法が理想であるのかを表にしてみました。
ボートダイブ | 桟橋・岩などからのエントリー | |
ジャイアントストライド | ◎エントリー口があるボート | ◎ |
バックロールエントリー | ◎船べりが水面にある程度近いボート | × |
水面装着 | ◎小さなボート・水深が浅い場合 | ◎水深が浅い場合 |
フロントロールエントリー | △ | △ |
サイドロールエントリー | △ | △ |
各々のエントリー方法にはそれぞれ向き不向きがあります。
特徴をよく知って最適な方法でエントリーできるようになりましょう。
マスターすべき基本のエントリー方法とその特徴
基本のエントリー方法の特徴から見て見ましょう。
- ジャイアントストライド
- バックロールエントリー
どちらも海外ダイブでは使用頻度の高いエントリー方法ですので必ず覚えておきましょう。
ジャイアントストライドエントリーについて(立ったままエントリー)
ジャイアントストライドエントリーは立った姿勢のまま海にエントリーする方法
ダイバー
- エントリーポイントがあまり揺れたりせず立っていることが容易
- 水面まである程度距離があってもOK(距離が無くてもOK)
- ある程度の水深がある
(水面からの高さがない場合は身長+1m位)
このような時に有効なエントリー方法です。
スチュエーション的には
桟橋から・岩場から・大きなボートでエントリー口がある、ヘリが低い場合など一番利用範囲が広いエントリー方法です。
ジャイアントストライドエントリーの方法
- エントリー口にフィンの先が出る位(自分のつま足が角にくる位)に立ちます。
- 水面を確認。ダイバーや岩などがないか必ず確認してください
- 右手の手のひらでレギュレーター、指先でマスクをしっかり押さえます。
左手は頭の後ろストラップあたりをカバーします。 - 背筋をまっすぐ伸ばし視線は遠くの方を見るイメージ(エントリー終了まで下を向かない)
- 背筋を伸ばし前を見たまま片足を一歩大きく踏み出します。
大きく踏み出す一歩は普段歩く歩幅の2倍くらいをイメージしてください。
*その時反対側の足はそのまま残すイメージで蹴ったり(ジャンプしたり)はしません。 - 後ろ足が地面から離れたら足首を伸ばし足の甲を水面に向けるようにします。
*この時両足とも足の裏から落ちるダイバーが多いですがそれは間違った方法です。 - 着水したら両足で水を挟むように(足を閉めるように)フィンキックすると深く沈まずに済みます。
*顔が水面に出たままでエントリーできているのはかなり上手なダイバー - エントリー完了したらすみやかにエントリー口から離れます。
バックロールエントリーについて(ボートで座ったままエントリー)
ボートダイブの際に使うエントリー方法のひとつです。
(ボートの種類によってはジャイアントストライドエントリーの場合もあります。)
ダイバー
- 小型ボートなどで船べりが水面と近い場合
- 揺れがあり立ってエントリーするのが不安定な場合
- 水深が十分にある場合
このような場合に有効なエントリー方法です。
バックロールエントリーの方法
- まずはボートのヘリにお尻がくるくらいに深く座りBCに空気を入れます。
引っかかるようなもの(ツンツン棒・ライトなど)があれば前にまとめておきます。 - 水面を確認します。
他のダイバーいないか岩などの障害物がないか必ず確認しましょう。 - 右手の手のひらでレギュレーター、指先でマスクをしっかり押さえます。
左手は頭の後ろストラップあたりをカバーします。 - 顎を引き体を丸めお尻が船べりから出るくらいにずらします。
この時座り方が浅いと失敗の原因になります。 - お尻から落ちる感じでエントリーします。
足を振り上げたり頭を後ろに倒したりしないようにします。
*この時後ろ向きに勢いをつけると一回転してしまうので注意! - 浮かんでくるまでその体制のまま我慢
特にお腹にしっかり力を入れて足との角度をキープ
足とお腹の角度が落ちたはずみで狭くなるとくるっと一回転してしまいます。 - 顔が浮いたらフィンを振り下げるようにキックして船から離れます。
バックロールエントリーで必ず気を付ける事
バックロールエントリーではエントリー後、すぐに船べりから離れることを意識しましょう。
エントリー後、船の近くを泳いだり潜行してしまう方をよく見かけます。
そうすると次のダイバーはエントリー出来ないですし、最悪の場合タイミングが悪いと上からダイバーが降ってきて事故になりかねません。
必ず船からは離れるようにしてください。
その他知っておいた方が良いエントリー方法
ポピュラーではありませんが必要に応じて知っておくとよいエントリー方法は
- 水面装着エントリー
- フロントロールエントリー
- サイドロールエントリー
水面装着エントリーはマニアなポイントの場合に使う可能性がありますので覚えておくといいでしょう。
フロントロールエントリー・サイドロールエントリーはジャイアントストライドやバックロールエントリーで間に合うことも多いのでできなくても大丈夫です。どちらかというと「俺ってすごいだろ?」的なエントリー方法かもしれません。
水面装着エントリー
水面で器材を装着してからエントリーする方法です。
ボートダイブや桟橋などからエントリーする場合に使うことがあります。
ダイバー
- 水深が浅くて器材をつけて飛び込むようなエントリーが出来ない場合
- 小さなボート過ぎてボート上で器材をつけられない場合
- バックロールエントリーなどの衝撃を避けたい場合
このような場合に有効なエントリー方法です。
意外と使う場面があるので覚えておいて損はありません。
水面装着のエントリー方法
- マスク・フィン・ウェイトを装着して入水します。
(ウェイトがついているので沈まないようにフィンキックを続けます) - セッティングしてあるBCに空気を入れたものを受け取ります。
受け取ったらバルブが空いているかを自分で確認したあと
BCの空気を半分~1/3になるように抜きます。
(たくさん空気が入っていると着にくくなります) - BCの空気を減らしてタンクが下、BCを上にして開きます。
その時ゲージ、オクトパスなどをタンク側水中に落としておくとBCの中に巻き込んで仕舞わずに済みます。 - BCの上に座るように乗ってから、後ろ向きに両腕をBCに入れます。
不安定に感じるようならタンクを両足で挟んでしまってもOK。 - 両腕が入ったら体をずるっと水中に落とすようにすると同時にBCに腕を深く差し込みます。
この時にバランスよく腕を差し込まないと片腕だけ引っかかって通らない場合があります。
肩の堅い方だと肩を傷めることもあるので注意。 - 落ち着いてバックル類を締めます。
水面で浮いたままだときっちり絞められないこともあるので、潜行後水中で留めなおすのも良いです。
水面装着は一人で出来るのが理想ですが
もし難しいようならばバディ同士で助け合いながら着るようにしましょう。
ダイバー
表スキンのウェットスーツの場合
BCに腕を滑り込ませることができずに苦労する場合があります。
その時は、右側の腕だけ深く差し込みレギュを咥えて潜行してから空気の入っていないBCを着る方法もあります。(水中でのBC脱着の応用)
初級者には難しいですが、スキンのウェットを着る位のスキルの方ならその方が楽な場合もあります。
フロントロールエントリー
バックロールエントリー、ジャイアントストライドエントリーを使う場面で使えるエントリー方法
名前のように前にぐるっと半回転する感じで見た目は派手ですが意外と簡単で衝撃が少ないエントリー方法です。
ダイバー
- バックロールできるけどちょっと水面までの距離が長い場合
- バックロールより沈まないのですぐに泳ぎ出したい場合は便利
- ジャイアントストライドエントリーできるけどエントリー口に水がかぶっている場合
このような場合に有効なエントリー方法です。
フロントロールエントリーの方法
【ボートや高いところからの場合】
- BCに空気を入れレギュレーターをくわえます。
- 好きな片足を船べりにのせます。
フィンの中の自分のつま先が壁の先に来るくらいにします。
ツンツン棒などぶらぶらするものは体の前にまとめておきます。 - 片手の手のひらでレギュレーター、指先でマスクを押さえます。
反対側の手でマスクのストラップ辺りを押さえます。 - 前足に少し重心をかける感じで顎を引き体を丸めます。
- 後ろ足を蹴り上げ前足を中心に前回りする感じで頭を下に向ける。
(前足はまっすぐに伸ばしたりする必要はありません) - 後ろ足を蹴った後すぐに前足も少し蹴る。
前足でのキックは着水位置を少し調整するくらいなので最初のうちは特に気にしなくても大丈夫です。 - クルっと半回転する感じで背中から水面に落ちるようにする。
少し回りすぎても大丈夫なので安心して回りましょう。 - 入水後足を閉じると自然に顔が水面から出ます。
- 完了!
【水面がフィンより上にあるエントリー口の場合】
フィンに水がかぶっしまい足を踏み出すのが難しい場合に便利です。
- BCに空気を入れレギュレーターをくわえゲージ類は前にまとめます。
片足を前に出しておきます。
前足は自分のつま先が角に来るくらいにします。 - 片手の手のひらでレギュレーター、指先でマスクを押さえます。
反対側の手でマスクのストラップあたりをカバーします。 - 前の足に重心をのせつつおじぎをするように体を丸めます。
- 後ろ足を上に蹴り上げる感じで頭をさらに下に下げます。
重心は前足の親指あたり - 頭が着水したら前足を少し蹴り(塀からいっぱい離れたい場合はいっぱい蹴る)
でんぐり返しをする感じで背中から水面へエントリー
この時、体が水中に入っていて正解 - BCの浮力で自然にクルッと体が回り頭が出ます。
- 足をそろえて完了!
サイドロールエントリーについて
バックロールエントリーと同じシーンで使うことができるエントリー方法
後ろから飛び込まず横向きなので恐怖が少なく感じます。
ダイバー
- 後ろ向きに落ちるのがどうしても怖い場合(一般ダイバー向け)
- 早くエントリーしたい場合(上級者向け)
- 船べりが低い時。カメラなどを持ってエントリーする場合
(水面着時の衝撃が少ないのでこのエントリーが使われることがあります。)
このような場合に有効なエントリー方法です。
サイドロールエントリーの方法
膝から脛をついてくるっと回る初心者向けの方法、ボートのヘリを飛び越える感じに回る上級は向けの方法があります。
上級者向けの場合、全装備のままヘリを飛び越えるだけの脚力が必要です。
一般ダイバー向けサイドロールエントリーの方法
- 水面を確認、ダイバーや岩がないか確認
BCに空気を入れレギュレーターをくわえます。 - 船べりに片膝―フィンを乗せます。
ゲージ類はできるだけ船の外へできないものはしっかり抱えます。 - 片手の手のひらでレギュレーター、指先でマスクを押さえたまま
反対の足で蹴り体を海側に半回転させるようにします。 - 膝を中心に側転する感じ。
回りすぎないように注意します。 - ちょうどタンクから入水するのが理想です。
回りすぎると衝撃が強くなるので注意。 - 入水してじっとしているとBCの浮力で自然に頭から浮いてきます。
上級者向けサイドロールエントリーの方法
- BCに空気を入れておきます。
ゲージ類はしっかりまとめて抱えて片手でマスクとレギュレーターを押さえます。
ジャンプで踏み切る方の足を後ろにして立ちます。 - 踏み切り足をボートなどのヘリと並行に置きジャンプし
反対の足でヘリをまたぐように上げる。 - ヘリを飛び越える。
- 飛び越えたら体を横に半回転します。
回りすぎないように注意 - タンクから着水します。
回りすぎて体から着水すると衝撃が強くなるので注意! - 浮かび上がったら船べりから離れるように泳ぐ
まとめ
様々なスチュエーションが体験できる海外ダイビングではエントリー方法も様々です。
ポイントに合ったエントリー方法ができるようになりましょう。
そのために少なくともジャイアントストライドエントリー・バックロールエントリーはしっかり習得しておきましょう。
基本のエントリー方法をしっかり身に着けることで安心してダイビングを楽しめます。
良いダイビングを!
コメント