フロートを買ったはいいけどロープの結び方がわからない
カレントフックを買ったけど間違ってほどいてしまった
という方のために、引っ張ってもほどけたり外れたりしないロープの結び方と絡まらないまとめ方をご紹介します。
私はドリフトダイブのポイントを20年以上ガイドしてきました。
流れが優しいポイントと激流のポイントを代わるがわる潜るのでフロートやカレントフックを常備しつつ邪魔にならない方法を自分なりに工夫してきました。
その経験を元にダイビングフロートやカレントフックのロープの結び方と
BCへの装着の仕方を説明したいと思います。
外れないダイビングフロートやカレントフックのロープの付け方
フロートを買ったけど安全停止用のロープの付け方がわからない
カレントフックを買ったけど間違えてロープを外してしまった
という場合に便利な引っ張ってもほどけない結び方を説明します。
ダイビングフロートを安全停止フロートにするためのロープの付け方
ここではリール(スプール)を使用せずフロートにロープを付ける方法をご紹介します。
【必要なもの】
オープンエンドタイプまたは万能タイプのフロート
太さ3~5㎜のロープ7~8m
錘(おもり) または カラビナ
完成図はこのようになります。
オープンエンドのフロートの口には必ず紐がついているのでそこにロープをもやい結びでつけます。
ロープの反対側も、もやい結びで錘(おもり)またはカラビナを結びつけます。
フロート+リール(スプール)使う方も多いと思いますが、私自身は太めのロープを使用しています。
太めのロープの方が丈夫で長持ちし、初心者が安全停止時にフロートのロープにしがみつくことがあっても切れたりしないからです。
太めのロープを前提に解説してますが太いロープでなくスプールの細いロープでも、もやい結びで結べばほどけませんので参考にしてください。
カレントフックのロープの付け方
カレントフックは完成品を購入する方が多いと思いますが
自作する場合や完成品を間違ってほどいてしまった場合はこのようにロープを付けてください。
【必要なもの】
フック
太さ7~10mmのロープ2m(またはお好みの長さ)
カラビナ
完成図はこのようになります。
引っ張っても外れない「もやい結び」の特徴と方法
もやい結びは引っ張っても結び目がずれないのでほどけない結び方です。そして結び目がほどきたい時には簡単にほどけることが最大の特徴です。
フロートやカレントフックを結ぶ場合にも使えますし、救助などの時に人の体を結んだりすることも出来ます。
もやい結びにもいろいろバリエーションがありますが
ここでは簡単で覚えやすい「逆もやい」と呼ばれている方法を説明します。
逆もやいは輪を作ったりする手間がなく素早く結べるので覚えておくととても便利です。
簡単で早くできるもやい結び(逆もやい)の結び方
- 結びたいものを紐に通し両方の手で紐を持ちます。
左手には紐の長い方、右手には短い紐端。 - 左の紐に右手の紐端を上から重ねます。
重なった部分を右手の人差し指(上)と親指(下)で持ちます。
そのまま右手をぐるっと手前に回すように右の紐端を左の紐をくぐらせるようにするとすでに輪っかに紐が通った状態になります。
*くるっと回した後、親指が上で人差し指は下になっていたら正解。 - 右紐の端を左紐の向こう側から絡ませる
- そのまま先程作った輪っかに右紐端を通します。
- 両方の糸端を上下に引っ張れば完成
もやい結びの外し方
絶対に外れないもやい結びですが外し方を知っていれば簡単に外すことができます。
イラストの印のついた部分を両方一緒につまんで引っ張るとスルっと簡単に解けます。
ダイビングフロートやカレントフックのロープのまとめ方
ダイビングフロートやカレントフックを綺麗にそして使いやすくまとめるにはいくつかの方法があります。
どの方法も長い紐を綺麗にまとめて絡まないようにすることが重要です。
ここでは一般的な2つのまとめ方
- チェーンノット
- 棒結び
のご紹介をします。
ロープをチェーンノットでまとめる方法:ダイビングフロート向け
チェーンノットとは長い紐を簡単に短くする方法で鎖編みとも呼ばれています。
鎖状に編むことでロープを約3分の1の長さにすることができます。
このチェーンノットはほどくときにスルスルとほどけるのが特徴
チェーンノットの結び方
- まず、輪っかを作ります。
輪っかの中に手を入れロープをつかんで引き出します。 - 引き出した輪っかにまた手を入れロープをつかみ引き出します。
- それを続けるとチェーンのようになります。
編みたいところまでそれを続けます。 - 最後は糸端を外向けにくるっと回しながら輪っかを作り、その輪の中に鎖編みの最後の部分を通します。(巻き結び)
- 糸端を引っ張りながら留めます。
もし1回で心許ない場合はもう一回4と同じように輪を作って留めます。 - 短くなったロープをフロートに巻き付けておくなど綺麗にまとめます。
チェーンノットの外し方
- フロートに巻き付けたロープを外します。
- 最後にくるっと回して止めていたもの(巻き結び)を外します。
- ロープを引っ張ればするするとほどけます。
ダイバー
フロートをチェーンノットでまとめる良い点悪い点
フロートをロープを結んで使用する場合、チェーンノットでロープを短くしてまとめる方法が一番一般的でシンプルで良いと言われています。
しかし、ファンダイバーがダイビングガイドのように安全停止用にフロートを使用する事はとても稀なのが事実。実は水面でのシグナルフロートとして使用することのほうがが多いのです。
その場合、フロートにクルクルと巻き付けるチェーンノットの方法だとはずしたロープが邪魔になることになります。
そのため私は次の項目で説明する棒結びでまとめていました。
ロープを棒結びでまとめる方法:カレントフック、ダイビングフロート向け
棒結びはロープを綺麗に小さくまとめるのにとてもいい方法です。
ほどく場合も絡まらず綺麗にほどけるのでいろんな場面で役に立ちます。
棒結びの結び方
- まずロープを好きな長さ*に3~5往復折り曲げて芯の部分を作ります。
*フロートの場合20㎝~BCに入る長さ位 / カレントフックの場合10㎝~15㎝ - カラビナ(または錘)の側から芯にしたロープに敷き詰めるように残っているロープをグルグル巻いていきます。
- 芯のロープを3cmほど残しロープを巻けたら糸端をつまんで芯の輪になっているところに通します。
- しっかり通せたらカラビナ側のロープを引っ張ります。
(フロートの場合フロート側のロープを50㎝~70㎝残してフロートに巻き付けるのがおすすめ) - しっかり最後の部分がほどけないようにカラビナ側のロープを引っ張り矢印の部分を締め付けます。
- フロートと棒結びを一緒にBCのポケットにしまいます。
棒結びのほどき方
- フロートまたはフック側のロープを引っ張ると最後の留めの部分がほどけます。
- 留めの部分が外れればフロート側を引っ張るだけでくるくるとほどけます。
もし引っかかる感じがあったら左右に振るようにすればスルスルとほどけます。
ダイバー
フロートのロープを棒結びでまとめる良い点
棒結びでフロートのロープをまとめると
ロープの部分+フロートの部分
と分けられるため、シグナルフロートとして水面で上げたい場合にロープを全部ほどかなくてすむので便利です。
使用する時には棒結び部分をBCに入れたままフロート部分だけをBCから取り出せば棒結び部分のロープをほどかずに上げることが可能です。
そのためには棒結びからフロートまでのロープを50~70㎝残しておくとフロートを自由に扱えます。
また長期間水面で待つことになった場合はそのロープを太ももに巻き付けるようにすれば腕の力をほとんど使わずにフロートを立てておくことができます。
フロート・カレントフックの装着方法
BCにフロートやカレントフックを装着する場合
ただでさえ水中ライト、ツンツン棒、そして予備のオクトパス、ゲージなどBCにはぶら下げるものが多いのでポケットの中に入れてしまうのが理想です。
自分で好きな側で良いのでまとめたロープとフロート・カレントフックはBCのポケットの中に入れておき必要な時にとりだせるようにします。
例えば右にはフロート・左にはカレントフックのように別々に入れましょう。
使用頻度の高いものを利き手側に入れておくのがおすすめ
万が一なくさない為にもカラビナはBCの留め具にかけておきましょう。
まとめ
ダイビングフロートやカレントフックのロープをしっかり結ぶ方法
そして綺麗にまとめる方法をご紹介しました。
これらは毎回必ず使うものではないですが必要な時に確実にとりだせるように常備することが大切です。
いざという時にロープが絡まって使えなかったということの無いように小さく綺麗にそしてほどけやすい方法でまとめてBCの中に携帯することを心がけましょう。
楽しいダイビングを!!
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