【マクロダイブのマナー】迷惑をかけない生物・被写体の観察の仕方、譲り方スキル

海外マクロポイント向けダイブスキル
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マクロダイブでのマナーを知っていますか?

例えばひとりのガイドに複数のゲストがいるとき
一つの被写体(生物)を皆でシェアするとき

自分が生物を見終わったあとにどうやって他の方に譲りますか?

「他の方に譲るって??気にしたことがない」
と思ってしまった方は気を付けた方が良いです。

もしかしたら後からその生物を見たいと思っていたダイバーを困らせていたかもしれません。

私は25年以上海外のダイブサイトでマクロガイドと呼ばれていました。
その経験からマクロダイブのマナーについてのアドバイスを説明します。

この記事を読めばマクロダイブで必要なマナーがわかるようになります。

マクロダイブで迷惑をかけない知っておくべきマナー

ダイビングのマナーにもいろいろありますが、ここではマクロダイブに関してのマナーを解説します。

マクロダイブとは小さな生物を観察・撮影するダイブスタイル
小さな魚を大勢で観察するということは、狭い場所に沢山の人が集まるか順番に観察するということ
大きな魚や地形を見て潜るのとは違い、細かなマナーが必要になってきます。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

マクロダイブで知っておくべきマナー

  1. 移動する時に砂を巻かない、生物の上を通らないようにする
  2. 写真を撮っている人の上にかぶさらない、前に出ない
  3. 生物の真上にはいかない
  4. 珍しい生物、いいポジションは数ショット撮ったらゆずる
  5. 故意に生物や物を触らない動かさない
  6. うっかり動かしてしまった岩などは元に戻す
  7. わかりにくい生物は次のダイバーに伝えてあげる

それぞれの理由と方法を解説します。

マナー1:移動する時に砂を巻かない、生物の上を通らないようにするスキル

マクロダイブは生物を観察・撮影することが楽しいダイビング
しかし、生物を観察した後は特にお構いなしのダイバーをよく見かけます。

悪気はないにしても観察した生物をフィンキックで飛ばしたり、砂まみれにしたりしないように気をつけられるのがスマートなダイバーだと言えます。
砂を巻かずに着底・離底する方法は別記事で解説しています。
【本格的マクロダイブ向け】砂を巻き上げない着底・離底スキルとその練習方法

順番に観察する場合も他のダイバーを配慮して自分が見た時と同じ状態で生物を譲るのがマナーです。

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー

上手な生物の譲り方移動の仕方3つの方法

  1. 少し浮かんで指などを地面に差して体を後ろに移動させる方法
  2. 十分に浮かんでから横に泳いでいく方法
  3. 浮かんで逆あおり足で後ろに下がっていく方法

それぞれの方法を説明します。

指などを地面に差して体を移動させて譲る方法

日本人では着底に抵抗がない方が多いのでこの方法が一般的だと思います。
共生ハゼなどの少しの水流や影でも引っ込んでしまう生物から離れる場合におすすめ

《具体的な方法》

  1. 息を吸って、またはBCに少しだけ空気を入れて浮き気味になります。
  2. 指を地面に差して押すようにして体を後ろに移動します。
  3. 何度か指の場所を変えて繰り返し十分に離れてから泳ぎ出します。

十分に浮かんでから横向きに泳ぎ出す方法

着底しない外国人の方達はこの方法が一般的です。
ウミウシやオコゼなどあまり動かない、引っ込まない生物たちに有効です。

《具体的な方法》

  1. 息を吸ってまたはBCに少しだけ空気を入れて体が1mほど浮き
    フィンが地面につかなくなるのを待ちます。
  2. 十分浮かんだらフィン、または手を使って体を横向きにします。
  3. 生物の上を通らないように横に泳ぎ出します。

浮かんでから逆あおり足で後ろに下がっていく方法

上級者向けの方法です。
最小限の動作で逆あおり足を使って後ろに下がることで被写体から離れられるのでほとんどの生物に有効です。

《具体的な方法》

  1. 息を吸ってまたはBCに空気を入れて体全体を浮かせます。
  2. 逆あおり足で後ろに下がります。
  3. ある程度離れたら生物を避けるように泳ぎ出します。

逆あおり足とは・・・・

一言でいうとあおり足を逆向きに使う方法
あおり足をうまく使えるダイバーならば少し練習すれば使えるようになります。

足の裏で水を蹴るのがあおり足ですが、逆あおり足の場合は足の甲で水を引っかけてくる感じ
足を(足首も)まっすぐ伸ばしたところから足首を曲げて水を引っかけるようにします。
これだけでもバックしますが大きくバックしたい場合は膝も同時に曲げるようにしましょう。

最初はタイミングがつかめなくて難しいですが意外と簡単に習得できるはずです。

マナー2:写真を撮っている人にかぶさらない・前に出ない

他のダイバーが見ていたり写真を撮っている生物って気になりますね。

でも、写真を撮っているダイバーがいた場合、いくら自分の中性浮力が完璧でも覆いかぶさったり、前に出たりしないのは暗黙の了解マナーになっています。

ウミウシやエビカニなど、逃げたりしない生物なら怒らない方もいますが
ハゼなどの引っ込みやすい生物を撮っている方だと横に並ぶだけでも注意を受けるかもしれません。

マナー3:生物の真上にはいかない

自分のホバーリングスキルに自信があっても
観察する時、観察し終わった時生物の真上には行かない方が良いでしょう。

生物は真上から来る大きな魚に狙われたと勘違いして引っ込んでしまったり、逃げ出してしまうことがあります。そうなるとこれから観察しようとする方の妨げになることも考えられます。

斜め横くらいから観察してそのまま横を通り過ぎるのが理想です。

マナー4:珍しい生物、いいポジションは数ショット撮ったらゆずる

珍しい生物がいたらずーっと見ていたい
いいポジションでいっぱい写真が撮りたい

皆がそう思ってます。
独りよがりにならずに他のダイバーの気持も考えて譲り合うことが大切です。
数ショットシャッターを切ったら他のダイバーに場所を譲りましょう。

マナー5:故意に生物や物を触らない動かさない

日本では生物や石などを動かすガイドやダイバーがいるようですが
海外でそれはいけないこととされています。

ウミウシなどの正面顔を撮りたいなら正面に自分が回って撮影するなど、自然にいる生物を自然に観察するように心がけましょう。

マナー6:うっかり動かしてしまった岩などは元に戻す

動かす気がなくても
フィンが当たって石が転がってしまった
フィンの水流でウミウシが飛んで行ってしまったなど

自分の行動が原因で動いてしまったものは元の通りに戻しましょう。
ウミウシなど自分の通った跡にフェロモンのようなものを残しそれをお互いに伝うことでペアを保っている生物もいます。
自分のうっかりで水中生物同士の関係を割いたりしないようにしましょう。

マナー7:わかりにくい生物は次のダイバーに伝えてあげる

ガイドに教えてもらった小さな生物
他のダイバーが見に来たと思ってそのまま泳ぎ去ってしまい
次のダイバーはそこで何を見ていたのかわからなかったということが頻繁にあります。

そんな時は「ここにいるよ」を伝えてあげてから移動しましょう。
情報をシェアすることでアフターダイブ、ログ付けも楽しくなります。

まとめ

マクロダイブでのマナーをまとめてみました。
そんなの当たり前と思えた方はすでにみんなに好かれるダイバーなのだと思います。

意識したことがなかった方もこれを機会に意識してみると良いでしょう。

一緒に潜った仲間と気持ちの良い、楽しいダイビングができますように。

楽しいダイビングを!!

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