他人まかせはダメ!体が安定するウェイトの位置調節と上手な付け方

ウェイトをセッティングしたウェイトベルトの写真 海外初心者ポイント向けダイブスキル
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海外ではウェイトの位置調整は自分ですることが前提なのですが
現地でゲストを見ていると正しい付け方をせず、適当にウェイトをつけているダイバーが多いです。

その結果

  • 体がいつも後ろに倒れて尻もちをつきそうになってしまう
  • 左右に体が傾いてしまってしまう
  • 泳ぐときも何となくどちらかに力が入って上手に泳げない

うまく体のバランスがとれずに困っているダイバーをよく見かけます。

普段から水中バランスがとりづらいと思っている方も、もしかしたらウェイトの位置が悪いのかもしれません。

この記事では水中でバランスがうまくとれるようになるウェイトの正しい配置や付け方を説明します。
たかがウェイトされどウェイト。
ウェイトを正しくつけると水中でフラフラせず姿勢が安定するので落ち着いたダイビングが出来るようになりますよ。

まずは安全な適正ウェイト量を確認

ウェイトは適正ウェイトであることが一番大切です。

ダイビングの教科書などでは全器材をつけて息を吐いたときに頭まで沈み息を吸ったときに首が水面から出る位がちょうどいいと言われています。

しかし、現地ガイドとして沢山のファンダイバーのお世話をした経験からダイビングの最初に適正ウェイトでも最後にタンクが軽くなり浮き上がってしまうダイバーが多く見ています。
そのようなことからダイビングの最後にセーフティストップが出来るウェイト量を適正ウェイトとしておすすめします。

また、日本でスチールタンクで潜っている場合、海外でアルミタンクになると+2kg程度の調整が必要になるのも忘れないで下さい。

安全な適正ウェイトの調整の仕方やタンクの材質違いなどでのウェイトの違いついてはこちらの記事を参考にしてください。
安全な適正ウェイトと調整の仕方【ダイビングが上達します!】

体を安定させるためにはウェイトの位置が重要

初心者のうちはインストラクターがウェイトの用意をしてくれたり致せり尽くせりですが、ツアーなどで知らない外国人ガイドと潜る場合、ウェイトベルトにリクエストしたウェイト数を渡されるだけです。基本自分でつけ直し位置を調節しなければなりません。
普段、調整されたウェイトベルトを使っているダイバーだと位置を調整をせずにウェイトを使うとダイビングが下手になったように感じるはずです。

いろんな海に潜りに行くのであれば自分でウェイトの位置の調節ができるようになりましょう。

理想的なウェイトの位置とは

元へなちょこ<br>ダイバー
元へなちょこ
ダイバー
  1. ウェイトは左右対称にセッティングしましょう
  2. なるべく体の前側にウェイトが多くあること
  3. 腰骨にあたって痛くない位置に調整すること

上記のことを頭に入れウェイトベルトにつけるウェイトの位置を決めます。

水中バランスのために左右対称にセッティングしましょう

ウェイトが左右対称でないと水中でウェイトが重い方に体が傾いてしまい上手に泳いだりホバーリングするのが難しくなります。
必ずウェイトは左右対称になるようにセッティングすることが大切です。

【ウェイトの位置の良い例】

理想的なウェイトの位置
左右対称で理想的なウェイトの位置

【ウェイトの位置の悪い例】

ウェイトの位置がアンバランスな写真
ウェイトの位置がアンバランスなのでこれだと水中で体が不安定になります。


【ウェイトが奇数になってしまう場合】
1.5kg玉などがあると左右に1個づつつければバランスが良いのですが1kg玉しか無い場合もあります。その場合はこのようにウェイトをつけます。

ウェイトが奇数個の場合の配置例の写真
ウェイトが奇数個の場合バックルを右側にずらし、おへその位置に真ん中のウェイトが来るようにします。

バックルは前にないといけないという先入観がありますがそんなことはありません。
この時クイックリリースできるようにベロの部分が見えやすいようにしましょう。

大切なクイックリリース機能

よくウェイトのベロの部分が長すぎるからとウェイトベルトに巻き付けたりする方を見かけますがそれはいけません。
何かアクシデントがありウェイトを外さなくてはいけない場面でベロの部分を隠したり巻き込んでしまっているとすぐにウェイトが外せず危険な状態に陥ることがあります。
必ず外しやすい状態で出しておきましょう。

【ウェイトベルトの付け方悪い例】

ウェイトベルトの付け方悪い例
ウェイトベルトが長すぎるからと言ってウェイトベルトに巻き付けてはいけません

ウェイトベルトの余分が長い場合の対処法
余分の部分を二つ折りにして下からウェイトに挟みます。
こうすることで引っ張れば簡単にウェイトベルトが外せるのでクイックリリース機能を損なわずに済みます。

ウェイトベルトの余分が長すぎる場合の対処法
ウェイトベルトの余分を二つ折りにします。
ウェイトの余分が長すぎる場合の対処法
下からウェイトベルトに挟み込むように入れます。


非常事態を考えるとバックルがオスメスタイプのものやウェイトベストは安全とは言えません。
特にウェイトベストはBCを外した途端に体が沈むことになるのでどうしても使いたいのであればウェットスーツの浮力分以下のウェイトを入れることしましょう。

なるべく前側にウェイトが多くあること:後ろ側に多いのは尻もちの原因

ウェイトが後ろ寄りにあるとタンクの重さもあり、いつも尻もちをつくような姿勢になってしまいます。
基本の水中姿勢はうつぶせです。なるべく前側にウェイトを多くつけましょう。

【悪い例】
下の写真のような状態では水中でいつも後ろ側に尻もちをついてしまうのでいけません。

ウェイトが後ろ側にある悪い例の写真
ウェイトが後ろ側にセットしてある悪い例

【重ね付けも可能】

もしウェイトの量が多い場合は前のウェイトを重ねてつけるのも重心が前になるのでおすすめです。

前のウェイトを重ねてつけている写真
前のウェイトを重ねてつけることで前重心が保てます。

ウェイトが多い場合、器材の為には良くありませんがウェイトを数個BCのポケットに入れることも出来ます。その場合ウェイトを落としたりしないように気をつけましょう。

最近はウェイトポケットがついているBCもあります。
その方がウェイトをすぐに外せるシステムになっているのでおすすめです。BC自体もウェイトがこすれて穴が開いたりすることもありません。

腰骨にあたらない位置にすること

女性や痩せている方は腰骨にウェイトが当たるととても痛いです。腰骨にあたらないようにウェイトの位置を微調整しましょう。
腰骨の位置からずらしてウェイトをつけます。腰骨の位置はここです。

腰骨の位置
腰骨の位置

腰骨の前と後ろにウェイトが来るように調整しましょう。

腰骨を避けてウェイトを配置した写真
ウエイトとウェイトの間に腰骨が来るように配置しましょう。

とても簡単なことですが
特に女性の場合はこれを無視すると骨が当たって痛くて不快なダイビングとなります。

ウェイトベルトにウェイト玉を通す方法

上記の理想的なウェイトの位置を参考にしてレンタルしたウェイトベルトに自分でウェイト玉をつけていきます。

ウェイトをウェイトベルトにつける順番に並べウェイトベルトのバックルが左に来るように置きます。(ウェストのサイズを想像しながらセッティングします。)

ウェイトベルトの作り方
ウェイトを配置したいように並べてみます。ウェイトベルトは左側にバックルがくるように置きます

左側から順番にウェイトを通していきます。
通し方は下から通して上から入れて下に出す。
一つ目のウェイトはバックルがちゃんとしめられる長さを残してなるべくバックルの近くにします。

ウェイトベルトの作り方
1つ目はバックルが使える長さを想像してなるべくバックル近くにウェイトを配置します。

2つ目以降は配置したいところまでベルトの端を引っ張ってから上から通します。
(引っ張るのが途中までだと配置したい位置までずらすのが大変です)

ウェイトベルトの作り方
配置したい場所までウェイトベルトを下から通してから上から通すようにします。

ウェイトベルトのセッティングが終わったらつけてみて微調整をします。

ウェイトの位置の確認点

  • バックルが締まる位置にウェイトがあるか?
  • 左右対称であるか?
  • 腰骨にあたらないか?

位置が悪い場合は1つずつウェイトをずらして調整します。

ウェイトの締め方:位置の微調整はしっかりとウェイトベルトをしないとできません

重いウェイトがついているウェイトベルトを上手につけられないダイバーをよく見かけます。
スマートにつけるコツは前かがみになってウェイトベルトを腰に載せてからバックルを締めるようにすると早くしっかりつけられます。

1)バックルが左側になるようにウェイトベルトを置きます。

ウェイトベルトの巻き方
バックルが左に来るようにウェイトを置きます。

2)ウェイトをまたぎ、後ろ手でウェイトベルトを持ちます。

ウェイトベルトの巻き方
ウェイトベルトを持ちます。

3)そのまま腰までウェイトベルトを持ち上げ前かがみになって腰にウェイトベルトを置きます。
この時手を放しても大丈夫なくらい前かがみになること

ウェイトベルトの巻き方
前かがみになって腰にウェイトベルトを置くようにします。

4)バックルにベロを差し込みしっかりとしめます。

ウェイトベルトの巻き方
前かがみになったままウェイトベルトをしっかりしめます。

この時お腹をへこませたまましめる感じにすると更に良いです。

【いちいち地面に置いてからウェイトベルトを巻きたくない場合】

ウェイトベルトのベロの方を右手で持ち、右腰にウェイトを近づけ載せるようにします。

ウェイトベルトの巻き方
右手でウェイトのベロの部分を持って右腰に当てます。

ここからは同じく前かがみになって腰にウェイトベルトを置きます。
この時手を放しても大丈夫なくらい前かがみになることが大切です。

ウェイトベルトの巻き方
腰にウェイトベルトが乗るようにしてからしっかりしめます。

ウェイトがしっかり締められたらウェイト位置の微調整をします。

旅慣れたダイバーが使っていた便利な小物&ウェイトベルト

たくさんのダイバーを見てきてこれは便利と思ったものを紹介しておきます。
毎回のウェイト調整の手間が少なくなるので楽ちんです。

1回セティングしたら最終日まで調整不要!ウェイトストッパー

ウェイトストッパーの写真
安くて便利なウェイトストッパー

レンタルのウェイトベルトだとダイビングの度に毎回ウェイトの位置がずれてしまう場合があります。
その場合はウェイトストッパーがおすすめです。

ウェイトが左右に動くのを防ぐので初日にセッティングしたらあとは最終日までウェイトの位置調整は必要ありません。
便利でいいなと思ったので自分も買いました。

ステンレス製やカラフルなプラスティック製のものがあります。
自分のウェイトストッパーを用意しておけば自分のウェイトが一目瞭然でわかるのでおすすめです。

旅行のたびに位置調整が要らなくなるMyウェイトベルト

レンタルウェイトベルトが荷物にならなくて一番いいのですが
旅行のたびにウェイト調整が面倒だったり、腰骨がどうしても当たって痛いという方は自分専用のウェイトベルトを持って来ている方がいます。
ベルトにポケットがついているタイプです。(写真がなくて残念です・・・。)

自分専用だから他の人に間違われることもないし
ウェイトの位置は固定されているのでいちいちずらしたりしなくていいし
腰骨には直接当たらないので痛くありません。
ベルトだけならそんなに荷物にもならないので賢い選択だと思います。

まとめ

初心者のうちはインストラクターにまかせっきりなウエイトの調節。

重要ではないと思っている方が多いですが
実は快適なダイビングをするためにはとても重要です。
自立したダイバーになるためには自分で調節ができるようになりましょう。

体が傾く、尻もちをつきそうになるという方はウェイトの位置調整がうまくいっていないことが多いです。心当たりの方は次回のダイビングでしっかり調節してみて下さい。

ウェイトの重さ、位置ともに自分に合わせて調節できるとダイビングがうまくなった気分になるはずです。

毎回のウェイト調整が面倒な方なら便利な小物やMyウェイトベルトを利用するのも良いと思います。

楽しいダイビングを!!

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