もっと長く潜っていたいのに・・・
他のダイバーよりエア消費が早くてダイビング時間が短くなったり迷惑をかけてしまうのは嫌ですよね。
- 自分のエア消費量がどのくらい多いのか目安を知りたい!
- なぜエアの消費が早くなってしまうの?
- エア消費が少なくなるコツを教えてほしい!
そう考えている初心者ダイバーは少なくないと思います。
実はエアの早い方には共通した原因があります。それを改善すれば誰でも消費量を抑えられるようになりますよ。
インストラクター歴30年、実際に教えて効果のあるエア消費の抑え方を説明します。
この記事を読んでコツを実行すれば他のダイバーと同じ時間のダイビングができるようになります。
エアの消費量は誰でも少なくすることが出来ます。
自分のエア消費量がどのくらい多いのか目安を知りたい!・・エア消費量を計算してみよう
エアの消費量はたくさん泳ぐダイビング、泳がないダイビング、またダイビングの長さで変わります。
何本も潜っていると自分のダイブスタイルでどのくらいの消費をするのかが大体わかるようになります。
一般的には体が大きかったり肺活量の多い男性の方がエアの消費は多いと言われています。特に初心者のうちはそういう傾向にあるようです。ただ上級者になるにつれ、呼吸の仕方をマスターできるようになると男性でも消費量は少なくなっていきます。
エア消費量の目安(男女別)
平均的なエア消費量 | エア消費量やや多め | エア消費量が多い | |
女性ダイバー | 10~12L | 12~15L | 15L以上 |
男性ダイバー | 13~15L | 15~20L | 20L以上 |
初心者のうちは平均よりも多かったとしても大丈夫です。原因を理解して直していけばエア消費量はどんどん少なくなっていきます。
では、自分のエア消費量を計算してみましょう。
1分間のエア消費量の求め方(用語説明あり)
自分のエア消費量が多いのか少ないのか心配。
そんな方は自分のエア消費量を計算してみましょう。計算は簡単です。
- まず自分が消費したエアのトータルを算出します。①
- 消費したエアの量:ログブックを見て最初にタンクに入っていた空気の量からダイビング終了後の空気残量(残圧)を引いた量のこと
*通常最初に入っている空気の量は200気圧くらいですが場所によって150~180気圧くらいに設定しているところもあります。ダイビングする前に必ず確認しましょう。
計算例)フルタンク200気圧、残圧70気圧の場合は200-70=130気圧となり130気圧が消費したエアの量となります。 - タンクの容量:タンクに刻印してあった容量
だいたい10Lくらいのことが多いですが、海外(特に東南アジア)では12Lが多い。エアを多く吸う人用に15Lタンクを用意しているサービスもあります。 - 消費したエアの量とタンクの容量をかければトータルの消費量がわかります。
計算例)消費した量が130気圧、10Lタンクの場合:130 X 10L=1300L
- 消費したエアの量:ログブックを見て最初にタンクに入っていた空気の量からダイビング終了後の空気残量(残圧)を引いた量のこと
- 平均水深の絶対気圧を求める。②
- 平均水深の調べ方
ダイビングの平均水深はダイブコンピュータで調べるのが一番ですが、持っていない場合はログ付けの時にバディやインストラクターに聞きましょう。それも出来ない場合は最大水深の約半分を目安にしてみると良いです。 - 絶対圧の求め方
絶対圧は水面で1気圧で10m深くなるごとに1気圧づつ増え、水深10m=2気圧、水深20m=3気圧・・・となります。計算式に直すと「水深の絶対圧=(水深÷10)+1」
計算例)平均水深12mの場合 (12m÷10)+1=2.2 平均水深の絶対圧は2.2
- 平均水深の調べ方
- 潜水時間はエントリーからエキジットまでの時間です。③
- 消費したエアのトータル①を平均水深の絶対気圧②で割り、更に潜水時間③で割ると1分当たりの空気消費量がわかります。
計算例)消費したエアのトータル1300L、平均水深の絶対圧2.2、潜水時間45分の場合
1300 ÷ 2.2 ÷ 45 =約13.1L
この時の1分間のエア消費量は13.1Lと言うことになります。
なぜエアの消費が早くなってしまうの?・・・7つの原因
原因を解決するのに時間がかかるものからすぐに解決できるものまでいろいろあります。心当たりがあるものはひとつづつ改善してみましょう。
- 適正ウェイトではない
- 中性浮力がとれていない
- 他のダイバーより運動量が多い
- 他のダイバーより深度が深い
- 笑い過ぎる
- 器材が合っていない
- 緊張して呼吸が早くなってしまう、または呼吸法を知らない
- 適正ウェイトではない
適正ウェイトよりも重いウェイトだと体が沈み気味になり、BC操作が上手じゃない初心者だと立ち泳ぎを続けることになり余計に空気を使います。
浅場に移動すると体が浮き気味になるので今度は逆さ泳ぎになって空気を使います。
適正ウェイトでないダイバーは水中での運動量・ストレスが多くなりエア消費が多くなってしまうのです。
参考)
安全な適正ウェイトと調整の仕方【ダイビングが上達します!】 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com) - 中性浮力がとれていない
中性浮力がとれていない場合、体が沈まないように常時フィンキックを続ける立ち泳ぎになってしまいます。運動をずーっと続けている状態になりエアの消費量が多くなってしまいます。
参考)
ダイビングの中性浮力を効率よく学ぶコツ!5つのステップと3つの練習方法 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com) - 他のダイバーより運動量が多い
ガイドの後をついて行かず、お魚を追いかけたり寄り道をしたりあっち行ってこっち泳ぎ回るダイバーは運動量が多くなります。
運動量が多いと必要な呼吸も多くなるので他のダイバーよりも多くエアを使うことになります。 - 他のダイバーより深度が深い
深度が深いところを泳ぐとその分水圧のかかった空気を吸うことになります。
大きな圧力のかかったエアを吸う=同じ一呼吸でも多くエアを吸う
と言うことになるので他のダイバーよりエアの消費が早くなります。 - 笑い過ぎる
普通に呼吸しているよりも笑うことはとてもエアを消費します。
特に大爆笑はひどく消費するので注意! - 器材が合っていない
マスクが顔に合っていなければ何度もマスククリアをしなければいけませんし、フィンが固すぎると足の力をたくさん使うので息が上がりエアを消費することになります。
ウェットスーツが合っていなければ寒くて呼吸が早くなることもあります。
自分に合った器材が良いと言われているのはそういう理由からです。 - 緊張して呼吸が早くなってしまう、または呼吸法を知らない
初心者にはありがちですがダイビングを始めて数本のうちはどうしても呼吸が早くなりがちです。水中にいる緊張から空気を吸わなければ・・と本能的にたくさん呼吸をしてしまうようです。
ダイビング本数を重ねていくうちに多くは改善しますが、たまに初心者の時の緊張した呼吸方法にそのまま慣れてしまうダイバーもいます。
その場合は改めて正しい呼吸法を練習することが必要です。
エア消費が少なくなるコツを教えてほしい
エア消費を少なくするにはまず原因を解決していくことです。
- 適正ウェイトにして中性浮力がとれるようになる
- 効率の良いコースでゆっくり泳ぐようにする
- なるべく他のダイバーより浅場にいる
- 自分に合う器材を使う
- ダイビングの呼吸法をものにする
適正ウェイトにして中性浮力がとれるようにする
多くの初心者ダイバーは潜行しやすいように多めのウェイトをつけてしまいます。
そのため必要以上にBCで空気の出し入れ操作をしなくてはなりません。
またBCに空気が多く入るとほんの少しでも深度が浅くなると浮力が大きくなり体が浮き上がってしまいます。それが怖くてマイナス浮力のまま立ち泳ぎでフィンキックを続ける人も多いです。
このように動き続けるダイビング(=エアをたくさん使うダイビング)をするダイバーはエア消費が早くなるのは当たり前です。
適正ウェイトにすることで少しのBC調節で中性浮力、水中姿勢がマスターでき、フィンキックを必要としない時間が多くなるので結果的にエアの消費がぐんと減ることになります。
適正ウェイトの調整や、中性浮力をマスターしたい方は下記の記事を参考にしてください。
参考)
安全な適正ウェイトと調整の仕方【ダイビングが上達します!】 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com)
ダイビングの中性浮力を効率よく学ぶコツ!5つのステップと3つの練習方法 | へなちょこダイバー南国を潜る (mydivehistory.com)
効率の良いコースでゆっくり泳ぐようにする
海の中では普通に泳いでいるようで意外と体力を使います。
体力を使う=エアの消費も多くなるということ
お魚を追いかけてダッシュしたりせず、なるべくゆっくりした動作で泳ぎ、最小限の移動ですむコースどりをしましょう。そうすることでかなりエアの消費を抑えることが出来ます。
エアの消費が少ない人は意識せずともそうしていることが多いです。
なるべく他のダイバーより浅場にいる
ガイドから「深度によって流れが違う」などの注意事項が無い場合、他のダイバーよりも浅めの深度にいるようにするのも効果的です。
ほんの少しでも他のダイバーより浅場にいればその分水圧がかかっていない空気を吸えることになり空気の減りが少なくなります。
一呼吸で比べればほんの少しの差ですがダイビング中ずーっと呼吸を続けると思ったよりもエア消費を抑える効果があります。
自分に合う器材を使う
見た目だけで器材を選ぶのではなく実際に自分の体に合う器材を使いましょう。
- マスクが顔に合っていればマスククリアをそれほどしなくても良いですしその分ストレスも減ります。そうすればエア消費を抑える事につながります。
- フィンが硬かったり大きかったりすると無駄に足の力を使うことになります。
硬さや大きさが丁度良いフィンならば効率よくフィンキックが出来るので運動量も減り、エア消費を抑えられます。 - ウェットスーツもブカブカだと中性浮力がとりにくくなったり寒くなります。
それが原因で呼吸が早くなり沢山エアを使います。
丁度良いウェットスーツならそんな心配はなく呼吸も落ち着きます。
他にも器材のエア漏れがあったりするとエアが早くなくなる原因になりますので器材のメンテナンスは大切です。
ダイビングの呼吸法を意識する
初心者のうちは難しいですがゆっくり吸ってゆっくり吐くダイビングの呼吸を意識しましょう。
一般的にはよく教えられているのはこういった方法です。
- 自然な呼吸をしましょう
- 3秒吸って3秒吐くようにゆっくり
- 吸う時間より吐く時間を長く
- ストローを使って呼吸する感じで細く長く
気を付けてほしいのは・・・
エアをセーブしようと故意に吸う量を少なくするのはやめましょう。
吸う量が少なくなることで逆に苦しくなりかえってエア消費が増えることになりますし、二酸化炭素が排出できずに激しい頭痛になってしまうこともあります。
もっと呼吸法を詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。
【実証あり】大男でもエア消費が抑えられたダイビングの呼吸法
まとめ
エア消費で悩む初心者を多く見かけますが、実は原因をひとつづつクリアにすることでどんなダイバーでもエア消費を抑える事が出来るようになります。
まずは適正ウェイトにすることでスキルアップを目指し
無駄な動きをせずにいられるようになりましょう。
エアの消費を抑えられるようになればゲージを見る度に焦ったりすることもなくなるし、自分だけ先にエキジットしたり他人に迷惑をかけることもなくなりますよ。
楽しいダイビングを!!
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